2019.09.13 2022.10.01

任意整理解決の流れ

任意整理解決の流れ

裁判所を介さない債務整理の方法として、任意整理がありますが、任意整理をお考えの方で、弁護士に相談した場合、どのような流れで進んでいくのか、かかる期間などが気になるところでしょう。

今回は、任意整理の全体的な流れや解決までの期間についてお伝えしていきます。

任意整理の全体的な流れ

まず、任意整理の全体的な流れを簡単に図解にすると、以下のようになります。

以下では、それぞれの項目について詳しく説明していきます。

弁護士への相談・依頼

まず、基本的に任意整理は弁護士に依頼して交渉を行ってもらいます。そのため、弁護士事務所に相談してみて依頼する弁護士を探していきましょう。

多くの弁護士事務所では任意整理の相談は無料で受けてくれますので、気軽に相談して、相性や費用面で納得できる弁護士を探していきましょう。

依頼を受けた弁護士は、借入先に『受任通知』を送ります。受任通知によって、まずは債権者からの支払い請求をストップさせます。

〇弁護士に依頼しない場合
弁護士に依頼せずに任意整理を行うことも可能ですが、個人で借入先と直接交渉をしても応じてくれない可能性が高いので、後ほど説明する『特定調停』を行うことが通常です。

取引履歴の請求と引き直し計算

受任通知と同時に取引履歴の開示請求を行います。貸金業者は取引履歴の開示請求に従う義務がありますので、しばらくしたら取引履歴が送られてきます。

取引履歴の開示まで1~3ヶ月ほどかかり、ここが一番時間のかかる部分です。

取引履歴が開示されたら、それを元に引き直し計算を行って、正確な借金残高を求めていきます。

引き直し計算とは、利息制限法の上限金利15~20%を基に計算し直すことで、過去に多く支払い過ぎた金利がないかを探っていきます。

場合によっては、上限以上の金利を長い間払い続けており、過払い金が発生していることもあります。

和解案の提示と交渉

引き直し計算をした後の返済額を元に、完済のための和解案を提示していきます。

過去に払い過ぎた金利がない方でも、支払い期限の延長による月々の返済額減や、利息カットなどの交渉を行います。

交渉に応じてくれるかどうかは条件や相手次第になりますので、以下の交渉成立と不成立に分かれます。

和解|合意書の作成

和解案に応じてくれる債権者には、合意書を作成して今後の返済方法を確定させていきます。

和解書を作成することによって、債権者(貸金業者)が一括請求をしてくることを拒否できるようになりますし、反対に債務者が分割払いをきちんと行わなかった時に裁判所の決定によって強制執行できるようになります。

交渉不成立|特定調停

もし債権者が和解交渉に応じてくれないようであれば、特定調停を利用します(弁護士介入での交渉不成立は稀ですが)。

特定調停とは、裁判所が当事者の間に入って話し合いを行うことです。結局話し合いとはなりますが、裁判所が介入することで和解もしやすくなります。

先にお伝えしたように、もし弁護士に依頼しないとなれば、特定調停から話し合いを進めていくこととなります。

残りの返済

任意整理で和解できたからといって、過払い金が多く発生でもしていない限り借金返済が免除になるわけではありません。

残りの債務はきちんと決めた期日を守って返済していくことになります。ただ、以前よりも月々の返済額も減っていて負担も軽減されていることでしょう。

弁護士に依頼している場合は弁護士費用の支払いもありますので、併せて支払っていくこととなります(通常であれば弁護士費用支払いが先)。

当然、任意整理前よりも負担が大きくなってしまえば元も子もありませんので、弁護士側からもしっかり支払いプランを提案してくれるでしょう。

また、弁護士事務所によっては、返済も代理で行ってくれる場合があります。その場合、弁護士手数料1回1,000円(相場)がかかりますので、利用するかどうかはご自身で決めるのが良いと思われます。

任意整理で借金減額できるまでの期間

任意整理の流れは上記のようになります。借入先の数や相手の対応にもよりますが、だいたい2~4ヶ月で和解に至るかと思います。

当然、借入先との交渉が難航して特定調停になればさらに期間は伸びます。一般的に特定調停の申立てから終了まで3~4ヶ月かかると思っておいていただければと思います。

支払い催促は弁護士に依頼後すぐにストップ

上でもお伝えしたように、弁護士に依頼した場合は受任通知を借入先に送ることで支払い催促はストップします。多くの取り立てで悩んでいる方は、これだけでも1つの大きな負担軽減になるかと思います。

任意整理で解決しても返済は必要

また、こちらも上で触れたように、任意整理で和解成立したと言っても、返済義務を免れるわけではありません。解決後はしっかり計画的に返済していきましょう。

任意整理を弁護士に依頼する時の費用相場

最後に、任意整理を弁護士に依頼した時の費用相場について簡単にご説明します。

内容 金額相場
着手金 1社あたり3万円前後
基本報酬金 1社あたり2万円程度
減額報酬金 減額の10%程度
その他日当や実費 弁護士事務所によって違う

まず、簡単にそれぞれかかる費用と相場をお伝えすると上記のようになります。借入先の数と借金額によって変わってきますが、『借入先1社3万円前後+減額の10%』くらいを相場に思っていておいていただければと思います。
弁護士事務所によって料金体系や価格がバラバラですので、具体的な料金は依頼前にしっかり確認することをおすすめします。

まとめ

任意整理の流れは、『取引履歴の開示請求→引き直し計算→和解交渉→和解』という形になります。借入先の数や相手の対応にもよりますが、和解までだいたい2~4ヶ月ほどの期間がかかると思っておいてください。
また、弁護士に依頼した場合は依頼後すぐに取り立てをストップさせることが可能です。交渉成立の可能性も高くなるでしょうから、前向きに弁護士依頼を検討しましょう。

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