2018.04.06 2023.12.27

カードローンにおける借り換えの危険性について

カードローン画像

借金や負債を負っている方が,ネットで返済の方法を調べていると,
「借り換え」「借り換えローン」「おまとめローン」という言葉を目にすることがあります。
借り換えは,住宅ローンの借り換え,とカードローンの借り換えがあります。
ここでは,特にカードローンの借り換えについてお話させていただきます。
借り換えとは,今借りている債権者の借金を,ほかの業者から借りたお金で返済してしまうということです。

今借りているすべての債権者に返済をすれば,「返済を一本化」することもできますね。
借り換えの中でも,すべての債権者に返済する場合には,「おまとめローン」などと言ったりもしますね。
複数の消費者金融,信販系の会社から,キャッシングやクレジットカードのリボ払いをしている方は,どこからどれだけお金を借りていて,毎月いくら返済をしているのか,利息でどれぐらい支払っているのかが良く分かっていない方もよくいらっしゃいます。

そういう方は,おまとめローンを利用して,支払いを一本化すれば,返済計画を立てやすいというメリットがあります。

また,借り換えやおまとめローンのメリットは,以下の通りです。

  1. 利率が下がる場合がある。
  2. 全体として支払い利息が少なくなる場合がある。
  3. 毎月の支払い金額が減る場合がある

その意味で,「借り換え」「おまとめローン」は,借金や負債の返済方法として有効である場合があります。

しかしながら、借り換えは,以下のような危険性があります。

  1. 借り換えは総量規制の適用をうけないため,より多くの借金をしてしまう危険がある。
  2. 借り換えをしても,家計収支が改善されていないため,結局,借金を繰り返してしまう。
  3. 借金が増えすぎてしまい,結果として破産手続をとる場合がある。

まず,借り換えローンやおまとめローンは,総量規制の適用を受けません。

総量規制とは,簡単にいうと,収入によって借りられる限度が規制されるものです。
ところが,借り換えローンやおまとめローンは,この総量規制の対象外なので,自分の収入以上に借り入れができてしまうのです。その理由は,借り換えローンやおまとめローンは,基本的に今までの条件よりも,債務者にとって有利な条件での借り入れだから,という説明がなされています。

しかしながら,よくよく考えてみましょう。
果たして,自身の収入の限度を超えて借り入れができることは,良いことでしょうか?

決してそんなことはありませんよね。

むしろ,収入の限度を超えて借り入れができてしまうことは極めて危険です。
債務整理に来られる方の中には,借り換えやおまとめローンを既に利用された,という方もたくさん来られます。
もしも,借り換えやおまとめローンで,問題なく返済ができるのであれば,債務整理に来る必要はありません。
では,利息が少なくなったり,返済額が少なくなったりするはずの借り換えやおまとめローンをしたのに,なぜ,債務整理をしなくてはならなくなったのでしょうか?

一言で言いましょう。

これは,①家計の見直しや改善がされていない②家計改善をしても返済ができないことが主な原因です。

1 家計の改善がされていない

さて,前提として,借金を返済できる場合とそうでない場合を説明します。

1.返済できる場合

収入30万円,支出25万,借金の返済3万円であれば,

収入 支出 借金の返済 毎月の残額
30万円 25万円 3万円 2万円

30-25-3=2万ですね。
この場合だと,借金はいずれ返済できるでしょう。

2. 返済できない場合
ところが,収入30万円,支出32万円,借金の返済3万円であれば

収入 支出 借金の返済 毎月の残額
30万円 32万円 3万円 -5万円

30-32-3=-5万円となります。
この状態だと,収入から支出を差し引くと,マイナスになっていますから,返済できませんね。

では,借金をする方は,例①と例②のどちらが多いのでしょうか?
ズバリ,例②の方です。

借金をする方は,例②の状態になっているから,借金を繰り返してしまうのです。
ですから,例②を,例①にもっていかなければなりません。
そうでなければ,いずれ必ず借金をしなくてはならず,借金が増えていくことになります。
ところが,借り換えをしようとしている方は,②を①にする前に,とりあえず目先の手段として借り換えをしようとします。
家計の収支は改善されていないため,一時的に毎月の支払いを多少減らせたとしても,支払いが苦しくなります。
例えば,収入30万円,支出32万円,借り換えして返済2万5000円になったとします。

収入 支出 借金の返済 毎月の残額
30万円 32万円 2万5000円 -2万5000円

30-32-2=-2万5000円
ー2万5000円となります。
こうなると,たとえ借り換えやおまとめローンをしても,足りませんね。
足りないから,一度完済したはずの業者から再び借金をしてしまうのです。
そこで,まずは,家計を改善しなければなりません。
家計を改善するのは,簡単なように思われるかもしれません。
しかし,今までの浪費傾向や生活水準を下げるのは,思った以上に難しいことです。

ただ,ここで家計が改善して,支払えるようになれば,御の字です。

2 家計改善しても返済ができない

ところが,実際に家計を改善しても,返済ができない,ということもあります。
例えば,上記の例でいえば,32万円の支出を27万5000円にまで減らさなければなりません。

収入 支出 借金の返済 毎月の残額
30万円 32万円 2万5000円 -2万5000円
30万円 27万5000円
(家計改善後)
2万5000円 0円

しかし,実際ここまで家計を減らすことは難しかったりもします。
なぜなら,支出を減らすことができなかったからこそ,借入をしているからです。
仮にここまで減らせたとしても,毎月の残額は0円なわけですから,貯金はできません。
また,子供の学費,医療費など節約しようとしても中々できないものもあります。また,冠婚葬祭などの避けにくい一時的な出費もあります。

すると,家計を改善しても,借金が残っている限り,生活が苦しくなります。
その結果,一度返済した業者から再び借り入れをしてしまうのです。

結果として,借り換えするための新たに借りた業者と,一度借り換えによって返済した業者,の両方から再び借り入れをして,借金の金額が増えるということになる危険性があります

また,借り換えやおまとめローンは,総量規制の対象外なので,今まで以上に借金が増えてしまう可能性がありますね。

もしも,借り換えやおまとめローンを検討されている方は,まずは,冷静になって,借り換えをすれば,本当に今後返済していけるのかどうか家計を見直しながら,考えてみましょう。

そこで,もし,家計改善が難しいとか,または家計改善をしても,支払いが厳しい場合には,借り換えやおまとめローンではなく,債務整理という方法を考えましょう。
債務整理の中の任意整理という方法は,原則的に,利息をゼロにして,毎月の返済額を減らす,という手続きです。

利息が継続的にゼロになることは,借り換えではありえませんから,支払いに悩まれたときは,債務整理の手続きも検討してみてください。
なお,任意整理をしても,返済金額が多すぎる場合には,破産,または個人再生の手続きが必要になる場合もあります。

借金の返済にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士に

債務整理を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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