2020.10.19 2023.12.27

警備員の借金を債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)して返済・減額・免責するときの注意点

警備員の借金を債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)して返済・減額・免責するときの注意点

幣事務所では、警備員の方々から、債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をしたいというご相談を受けることが多くあります。

警備員の方は、自己破産をしてしまうと仕事を続けられないということを知っておられる方も多く、そのため、自己破産以外の債務整理をする場合であっても、勤務先に知られたくないと思われている方が多いように思われます。

ここでは、警備員の方々が借金をしてしまった場合、どのような解決方法があるかをご説明します。

警備員の方がなぜ借金をしてしまうのか?

警備員の方の仕事は,現場のスタッフが体育会系で上下関係が厳しくという声はよく聞かれますし、日勤・夜勤のシフト制での勤務のため、生活が不規則になってしまいがちである等、ストレスがたまる可能性が高い職場であることは間違いありません。

そのため、ストレス発散のために、買物、ギャンブル、酒等で浪費してしまい、借金を重ねてしまうケースも見られます。

さらに、住み込みで働けるような場合もあり、既に借金をしている方が家賃を浮かせようとして警備員に就職されることも少なくないという話も聞かれます。

確かに家賃は浮くものの、それほどの収入にはならないことから、借金返済をするとカツカツの生活になってしまうということから、生活費不足で借金に頼ってしまう可能性もあるのです。

警備員の方が任意整理をして借金(債務)の返済減額をするときの注意点

勤務先に知られるのか?

結論からいえば、任意整理をしたからといって、勤務先に伏せていた借金のことが知られてしまう可能性は低いものといえます。

弁護士を代理人として任意整理の手続を行う場合、債権者から債務者へ直接連絡することはできなくなり、全て弁護士が手続を進めることになりますので、勤務先に債権者から連絡がされることは無くなります。

仕事への影響はあるのか?

上記のとおり、弁護士に任意整理を依頼すれば、債権者との交渉は全て弁護士が行ってくれますので、債権者への対応等をする必要もなく、仕事への影響はないといって構いません。

すなわち,会社を辞めたりする必要もありません。

ただし、任意整理で債権者と合意した後は、3年から5年の間は、減額されたとはいえ、残っている借金を返済し続けなければなりません。

そのため、万一、毎月の返済が滞るようなことがあれば、債権者から連絡がされる可能性があることには注意しなければなりません。

よくある事例のモデルケース

大学は卒業したものの、資格試験の勉強を続けたかったので、夜勤のビル管理の仕事をするようになりました。

それほど給料は高くなかったところ、試験勉強のためにかかる費用が高額であったため、つい学生時代に作っていたクレジットカードを使って、分割払いをするようになりました。

それからは、毎月の支払が結構な負担になってしまい、その上に、試験勉強のストレス発散でパチンコにはまってしまって、消費者金融などからも借り入れるようになり、借金総額が200万円に及びましたので、弁護士に相談しました。

勤務先に借金や債務整理のことを知られたくないことを伝えたところ、弁護士から任意整理の方法で債務整理する提案を受けました。

任意整理の結果、毎月の支払総額を3万5千円程度に抑え、5年で分割弁済する和解をすることができました。

警備員の方が自己破産をして借金(債務)をゼロ(免責)にするときの注意点

自己破産する場合,復権するまで警備員の仕事は続けられなくなります

警備業法では、「破産者で復権を得ないもの」は「警備業を営んではならない」と定められ、さらに、上記の規定(=「破産者で復権を得ないもの」)に「該当するものは警備員になってはいけない」と定められています。 自己破産して復権するまでの間は、警備業者を営むことも、警備業者にやとわれて警備員をすることもできないということなのです。 破産開始決定を受けても免責決定を受けて確定すれば復権できますので、その後は警備員の仕事をすることは可能となります。 しかしながら、一旦、警備の仕事はできなくなりますので、できれば、自己破産の方法はとらずに債務整理することを検討すべきです。 それでも、分割弁済が難しいほど、借金が多いような場合に、自己破産以外の選択肢がなければ、一旦警備員の仕事から離れなければならないことを覚悟のうえで、自己破産することになります。 そこで、勤務先の警備会社には自己破産したことを内緒にしておけばよいのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、万一、自己破産したことが会社にバレてしまった場合、警備会社は欠格事由に該当する者を警備業に従事させたことになり、最悪営業停止や営業廃止の処分を受ける可能性もありますので、そうなってしまうと、懲戒解雇だけでなく、損害賠償請求までされる可能性が出てきます。 就業規則の定めによっては、自己破産をしたことで最悪、解雇される可能性もありますが、必ず会社に報告しなければならないと思ってください。

警備員の方が警備会社を辞めずに破産する方法はあるか?

では、自己破産をした場合でも、勤務先の警備会社を辞めずに済む方法がないかというと、警備の仕事ではなく、営業職や総務や経理などの事務職に配置換えをしてもらう等の配慮をしてもらうことができれば、勤務先の警備会社を辞めずに済むことができる可能性があります。 そのような配慮をしてもらえるかについては、ケースバイケースですので、勤務先の会社に相談してみてください。

よくある事例のモデルケース

勤め先からリストラされたため、とりあえず働かなければと思い警備会社に就職しました。 当初から配置されたのは交通誘導警備やイベント警備でしたが、慣れない誘導等で戸惑っていると怒鳴られることも多く、また、社内の上下関係が厳しく、年下の上司に怒鳴られもしたことから、ストレス発散のために、仕事が終わると酒を飲み、休日は競馬やパチンコに行くようになりました。 最初は、自分が決めた小遣いの範囲で押さえていましたが、仕事のストレスにギャンブルで負けたことで熱くなってしまい、段々と使う金額が多くなっていき、消費者金融で借入をするようになりました。 それからは、どこかで止めなければとは思いながらも、ずるずると借金を繰り返すようになってしまい自転車操業を続けましたが、新たな借入れも断られるようになり、毎月の支払も送れるようになりましたので、弁護士に相談しました。 弁護士に相談し、自分の借金の総額を確認してもらったところ、500万円程ありましたので、自己破産をしてもらうようお願いしました。 弁護士からは、借金を増やした理由が浪費(酒やギャンブル)に当たり、免責が出ない可能性があることと、警備員を続けることができないので、他の方法を取った方がよいのではといわれました。 そこで、会社の上司にも相談し、一時的に事務職への配置換えを検討してもらえる話をいただいたのですが、このままこの会社にいても、また同じことを繰り返すのが恐かったので、退職することを決意して、自己破産をしてもらいました。 浪費に関しては、裁判所からも指摘されましたが、今後、二度とギャンブルはしないと反省し、その原因となった警備会社を辞めてやり直すことを述べ、何とか免責決定も受けることができ、借金0から再出発することができました。

警備員の方が個人再生をして借金(債務)を減額するときの注意点

警備員が個人再生をする場合,勤務先に知られるのか?

個人再生の方法であれば、自己破産とは異なり、欠格事由には該当しませんので、勤務先に報告すべきものとまではいえませんし、勤務先からの借入があるようなことでもなければ、勤務先に裁判所から連絡がいくこともありません。 しかしながら、自己破産の場合も同じですが、退職金に関する証明書かそれに類する書類を個人再生申立ての際に提出する必要がありますので、証明書を勤務先から出してもらうに当たって、個人再生の手続をとることが勤務先に分かる可能性があります。 もちろん、退職金規定のコピーを取得し、退職金の計算方法を経理や人事担当に確認して計算して書類を提出することで、証明書に代えることは可能ですので、そのような方法が取れれば、勤務先に知られることを避けられる可能性はあります。 ただし、中小の警備会社では、就業規則を常時従業員が閲覧できる状態になっていない可能性もあり(そのこと自体は、労働基準法違反ですが)、その場合に理由を問われる可能性はあります。 警備会社は、自己破産した者については、警備業をさせるわけにはいきませんので、退職金に関する書類関係の閲覧等を申込み等に関しては、自己破産の申立の為ではないかと理由を詳しく聞かれる可能性は高いものと思われますので、逆に自己破産ではなく個人再生であることを正直に話したほうがよい場合もあります。

個人再生の場合,警備員を辞めなければならないのか?

また,個人再生手続きを取ったことを勤務先に知られたからといって、法律上は、原則的に懲戒や解雇をされることはありません。

よくある事例のモデルケース

警備会社で勤務していましたが、不規則な勤務シフトの影響からか、病気で入院することになってしまい、収入が減ってしまったために、消費者金融で生活費の不足分を借り入れたのが、借入の最初でした。 その後、特にギャンブル等で浪費したわけではなかったのですが、給料もそれほど多いものではありませんでした。 そのため、生活費が不足したり、同僚との飲み会等の費用等で、ついつい借入を続けてしまうようになり、毎月の支払が厳しくなってきたことから、借金の総額を確認したところ、300万円近い金額になっていました。 弁護士に相談したところ、自己破産をすると警備員の仕事は免責が確定するまで出来なくなると説明されましたので、個人再生の手続を取ってもらうことにしました。 最終的に、100万円を3年分割で払う再生計画が認められ、毎月の返済額も、3万5千円以下で済むことになりました。

警備員の方で借金にお困りの方は、債務整理を取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士に

このページでは、警備員の方がなぜ借金をしてしまうのか、そして債務整理手続き(任意整理・個人再生・自己破産)をした場合の注意点等をご説明しました。 警備員の方で借金にお困りの方は、債務整理を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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