2020.07.14 2022.10.03

自身の自己破産手続き中に嫁の大金のへそくりが見つかったが問題ありますか?

自身の自己破産手続き中に嫁の大金のへそくりが見つかったが問題ありますか?

借金が大きく膨れ上がってしまった場合、返済することが難しくなってしまいます。
そのような場合に、自己破産を検討するケースは少なくありません。
自己破産をすることによって、借金の支払いが免除となるため、返済が難しくなった時の最終手段として選択する人が多く見られます。
自己破産をする人の中にはタイトルにあるように、「自身の破産手続き中に嫁の大金のへそくりがみつかったが問題ありますか?」といった疑問を持つ人もいます。
今回は、自己破産をするとどうなるのか、家族にはどのような影響が出るのか、へそくりが多すぎると資産隠しを疑われてしまう可能性があるといった点についてご紹介しましょう。
もしも自己破産手続きをしている中で、配偶者のへそくりがたくさん見つかったという人は参考にしてみてください。

自己破産をするとどうなってしまうのか

破産には、どのようなイメージを持っていますか?
借金取りが取り立てに来る、賃貸の住居も引き払わなければいけない、家族にも様々な影響が出るといったイメージを持つ人は少なくないでしょう。
しかし実際は、そのような心配をする必要はありません。
なぜなら、自己破産は破産する本人が持っている財産が対象となるためです。
破産する本人が持っている財産を換価して、債権者に配当します。
そして、配当後に免責許可決定がなされ、支払いが滞っていた借金が免除されます。
自己破産をする際に換価される財産は、破産する本人が持っているものに限られるので、配偶者や家族の財産は処分されません。
自己破産をする人の中には、めぼしい財産をもっていない人も多くいます。
中には、不動産や高価な車、たくさんの預貯金を保有しているケースもありますが、それはレアなケースです。

また財産の中でも自由財産と呼ばれているものは、自己破産をしても処分する必要がない財産とされています。
自由財産には、新得財産(破産開始手続き後に取得した財産)、差押禁止財産(生活必需品と見なされる財産)といったものが含まれます。
それ以外にも、裁判所が認めた場合は自由財産が拡張されるケースもあるので、覚えておくと良いでしょう。
ただし、自由財産を拡張するためには専門家の判断が必要になるので、自己破産関連の実績を持つ弁護士に相談することをおすすめします。

配偶者の預貯金は無関係

自己破産をする場合、配偶者の預貯金も差押えの対象になってしまうのではないかと不安に感じる人は少なくありません。
確かに家計を共にしているため、何らかの影響が出るように思われがちですが、実際はそうではないのです。
配偶者の預貯金は、あなたの破産手続きとは全く関係がありません。
そのため、配偶者の預貯金が差し押さえられてしまう可能性はほぼないと考えて良いでしょう。
ただし、配偶者の通帳から光熱費などが引き落とされている場合は、通帳の写しを提出する必要があります。
それでも配偶者には何も問題がないケースが大半を占めているため、あくまでも確認のための提出なので安心してください。

しかし、家族の預金が急に増えていた場合は資産隠しを疑われてしまう可能性があるので要注意です。
もしも、資産隠しだと判断されると預貯金は没収されてしまい、債権者への分配に充当されます。

預貯金は関係ないが少なからず影響は出る

配偶者の預貯金が差し押さえられてしまうことは基本的にありませんが、家族への影響は少なからずあります。
続いては、どのような影響が出るのかご紹介しましょう。

・学資保険を解約しなければいけない

学資保険は、貯金と同じ扱いになります。
そのため、保険を解約してその返戻金を債権者に分配しなければいけないのです。
子どもの名義で加入していたとしても、積立をしているのは親です。
そのため、親の財産だとみなされます。
ただし、学資保険の積立額が小さい場合は自己破産をしても保有できる可能性があります。
保有可能かどうかの判断は、弁護士に相談してみましょう。

・一定期間保証人になれない

自己破産をしてしまうと、一定期間保証人になることができません。
それが問題になるのは、子どもが高校や大学へ通うための奨学金を借りるときです。
奨学金を借りるためには保証人が必要で、基本的には親が保証人になります。
しかし、自己破産してしまうとブラックリストに名前が載るので、保証人になったときの審査に通らないリスクが高まります。
自己破産をする場合は、10年間保証人になれない可能性があることを覚えておいてください。

・共有財産が処分の対象になってしまう

破産手続きをした本人の財産はもちろん処分の対象になりますが、夫婦の共有財産も処分の対象になってしまいます。
例えば、ペアローンで住宅を購入した場合が当てはまります。
ペアローンで住宅を購入すると、配偶者との共有財産になるため、処分の対象になるのです。
もしも処分したくないのであれば、破産する側が持っている所有権を配偶者に買い取ってもらうといった方法を選択しましょう。

・家族カードを使えなくなってしまう

自己破産をするとクレジットカードが使えなくなるため、家族カードにも影響が及びます。
なぜかと言うと、信用情報機関にブラックリストとして登録されてしまうためです。
信用情報機関は、銀行やクレジットカード会社などが加盟しているネットワークで、事故情報などを管理しています。
ブラックリストに登録されているということは事故情報が残っているため、一定の間クレジットカードの新規作成や新しくローンを組めなくなってしまいます。

・連帯保証人に迷惑をかけてしまう

あなた自身が抱えている借金の中で、配偶者が連帯保証人になっているものがある場合は要注意です。
なぜかというと、連帯保証人に支払い請求が行くからです。
連帯保証人も支払いが難しいケースでは、ともに自己破産をしなければいけません。

へそくりが多すぎると資産隠しを疑われる可能性はある

基本的に、配偶者がコツコツと貯めたへそくりは、破産する本人名義の口座に入っていなければ差し押さえの対象になることはありません。
差し押さえの対象は、あくまでも本人名義の口座のみです。
あなた自身が稼いだお金を妻名義の口座に貯金していた場合は微妙なので判断が難しいですが、本人名義の口座のみが対象であるケースがほとんどなので心配する必要はないでしょう。
しかし、明らかにお金の流れが不自然な場合は、資産隠しを疑われてしまう可能性もあります。
先ほども説明したように光熱費などの引き落としを配偶者名義の口座にしてある場合は、裁判所から通帳のコピーを求められるケースがあります。
この時に、口座の残高があまりにも多いと資産隠しを疑われる可能性があることも覚えておいてください。

配偶者のへそくりがタンス預金になっていた場合は、報告する義務はありません。
しかし、それを出したのが明らかに破産する人であった場合は、その人の財産としてみなされるケースもあります。
多額のタンス預金を隠していたことがバレると、免責を受けられなくなる可能性が高くなります。
さらに、悪質な場合は詐欺破産罪とみなされ、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられる場合もあるので注意しましょう。
特に、自己破産手続きが完了した後に資産隠しが発覚すると詐欺破産罪に問われる可能性がより高まるので注意しなければいけません。

まとめ

破産手続きをしている中で、配偶者のへそくりが見つかるケースは誰にでもあります。

自己破産によって処分される財産は、基本的に破産する本人のものだけです。しかし、共有財産とみなされるものは処分の対象になる可能性があるので注意しなければいけません。

また、多額のへそくりが見つかった場合に隠していると、資産隠しだとみなされてしまうリスクもあります。

もしもへそくりが見つかったのであれば、自己破産について相談している弁護士に状況を説明し、どうすべきなのか指示を仰ぐようにしましょう。

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