2020.02.18 2022.10.03

自己破産をした場合の自宅(持ち家)や不動産は売却される?どうなる?

自己破産をした場合の自宅(持ち家)や不動産は売却される?どうなる?

自宅(持ち家)や不動産をお持ちの方が自己破産をした場合、破産者の自宅(持ち家)や不動産がどうなるかどうかは,皆様,関心のあるところです。

というのも,自宅に住み続けられなければ,引っ越しを考えたり,引っ越しに伴い職場が遠くなりすぎて,職を変えると言うこともありえますし,お子様がいる場合には,子供の学区が変わったりもするからです。

今回は、自己破産をした場合の自宅(持ち家)がどうなるか,どのような場合に自宅(持ち家)に住み続けることができるか,その方法をご紹介します。

自己破産した場合の自宅(持ち家)や不動産は売却されるのが原則

自己破産すると,残念ながら,自宅が売却されて住宅ローンの返済に充てられることが多いです。 そのため,自宅に住み続けることは原則的に難しいです。そして,住宅ローンの残ローンが数百万円~数千万円ほど残ることが多いです。 ただ,この残ローンは,自己破産の免責によって借金がゼロになります。 他方で,自己破産をしても,例外的にそのまま住み続けられるという場合もあります。

不動産がある場合,自己破産の管財事件になるのが原則

このように,自己破産をする破産者の方は自宅を手放して売却することになり、自宅に住み続けることは困難となることが原則です。

そして,自己破産には,同時廃止と管財事件の二つの種類があります。

不動産を持っている場合には,管財事件になるのが原則です。

【通常のケース】破産管財人に自宅を売却される

通常、持ち家がある場合に自己破産をすれば、持ち家は十分な財産となりますので、管財事件として扱われます。そして,破産管財人が,自宅を売却していくことになります。

この場合には,破産管財人から,いついつまでに自宅から出て引っ越しをするように指示を受けることになります。

ですので,自宅に住み続けることはできなくなります。

また,管財事件になると,破産者は,管財費用として20万円以上の予納金を別途おさめる必要があります。したがって,管財事件になった方が,経済的な負担が重くなると考えておきましょう。

【オーバーローンの場合】同時廃止になって自宅を失う

一方、多額の住宅ローンが残っており、売却してもローンの方が高額になるようなケースではオーバーローンとも言います,必ずしも管財事件になるわけではなく,オーバーローンの上申を裁判所にあげることで,同時廃止事件で処理してもらえる可能性があります。

この場合には,管財費用の20万円はかかりません。

しかし,自宅,持ち家に住み続けることができるかと言うとそのようなことはありません。多額の住宅ローンが残っている場合、抵当権を持っているローン会社によって住宅を競売にかけられるなどして処分されます。

結局のところ、持ち家がある方が自己破産をすれば、自己破産手続きの中で処分されるか、ローン会社によって処分されることとなります。

ちなみに、自己破産は全ての債権が対象になりますので、「住宅ローンだけ払って持ち家に住み続ける」といった方法を取ることもできません。

なお,オーバーローンの上申はオーバーローンであれば,必ず認められるというわけではありません。

もし,自宅をお持ちで破産を考えている方で,同時廃止を希望される場合には,次にご紹介する方法をご覧ください。

【自宅や不動産の任意売却】管財事件を回避する方法

先ほど説明した通り,自宅不動産を持っていると,原則的に管財事件になります。

その場合,予納金として20万円が余分に必要になります。

そこで,20万円がかからない同時廃止でなんとか進めたいところです。

その方法は,自宅や不動産を破産の申立前に,任意売却しておくことです。

そうすれば,破産を申し立てた時には,不動産を持っていないことになるので,管財事件ではなく,同時廃止で進めやすくなります。

ただし,他に財産を持っていたり,借金の原因が浪費ギャンブルなどの悪質な場合のように,不動産とは別の理由で管財事件になることがあります。

また,不動産がアンダーローンの場合には,売却すると住宅ローンを返済しても,一定のお金が余ることがあり,この場合には管財事件になることがあります。

また,破産の申立前に,不動産を任意売却していると,引っ越し費用もその売却費用の中から捻出できるケースが多いです。

したがって,破産の申立前に,自宅や不動産を任意売却しておいた方が,経済的に楽になることが多いです。

売却後は現金化され債権者に分配される

売却された自宅,持ち家は、現金となり、債権者に配当されます。今回は持ち家についてご説明していますが、現金・預貯金・車・保険金・退職金などの財産価値がある物も現金化され、配当の対象となります。

破産者は自宅(持ち家)を手放す|申立てから数か月~1年で退去

持ち家は売却されますので、破産者が住み続けることはできません。ただし、自己破産の申立てをして直ぐに出ていくことはほぼなく、自己破産の申立てからおおよそ数か月~1年程度で退去するものとお考えください。

自己破産しても自宅に住み続ける方法

ご家族の事情もあるでしょうし、思い入れがある方も多いでしょう。そこで,自己破産しても自宅を残したいという方もおられます。 そこで,その方法をご紹介していきます。

リースバックを利用する

自己破産後も今の家に住み続けたいと思っている方の方法の一つとして,リースバックがあります。 リースバックとは、今の持ち家をいったん不動産会社や投資家に買い取ってもらい、賃貸契約によって住み続ける方法です。 名義は債務者本人ではなくなりますが、賃貸契約で住み続けられますので、一見すれば今までの生活とは大きく変わりません。お子様の引越しや近所からの評判などを気にしているようであれば、有効な手段でしょう。 しかしながら,リースバックは,相場より低額な金額で自宅を売却することになるので,破産手続きをとる際に,問題になる可能性があります。

親族に買い取ってもらう

もう1つの方法として、親族に持ち家を買い取ってもらうという方法です。 この方法は,住宅ローンが残っておらず自宅の価値が高くないという場合や,親族に多額の資産を持っている場合に検討してもらいます。 実務的に,自宅を残せる方法で多いのは,リースバックよりも,親族に買い取ってもらうことです。 自己破産を申し立てた後,選任された破産管財人に対して,自宅不動産を親族が買いたいという希望を伝えておきます。そのうえで,破産管財人と協議して,親族に払ってもらう金額を決めます。 その金額は,不動産業者の査定,固定資産税の金額,親族が出せるお金を検討しながら決めていきます。 難しい問題ですので,自己破産に詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。

安易な不動産の名義変更は違法行為

「破産者名義から変えれば売却を逃れられる」と考えて、自己破産の前に名義変更を考える方もいます。 しかし、安易な名義変更は「財産隠し」として裁判官から判断され、自己破産の免責が受けられない理由に十分当てはまります。さらには、『破産詐欺罪』として刑事罰を受ける可能性すら出てきます(10年以下もしくは1,000万円以下の罰金)。 安易に名義変更しようとしても、結果的により悪い状況に陥りますので、絶対に行わないようにしてください。裁判所も破産管財人も破産者の財産を調査するプロです。簡単にバレてしまうでしょう。

個人再生などの他の債務整理も検討する

このように、自己破産では持ち家を手放さざるを得ない状況になります。どうしても持ち家を残したいのであれば、他の債務整理も検討してみてください。特におすすめが個人再生です。 個人再生では、返済義務は残りますが、原則的に借金を1/5まで減額することが可能です。財産を売却する必要がないので、持ち家を残すことが可能となるのです。 また、住宅ローンが残っている方は、『住宅ローン特則』で手続きを進めることで、住宅ローンは減額対象の債務から除外し、住宅ローンを払い続けることで持ち家に住み続けることも可能です。 いずれにしても返済義務は残りますので、債務額や返済能力に応じてどの方法を取るかを検討していってください。具体的な状況に応じて、適切なアドバイスができますので、まずは弁護士に相談するようにしましょう。

自宅(持ち家)があって、借金にお困りの方は,債務整理を取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士に

自己破産することで自宅を手放してしまうことになるのが原則です。自宅,持ち家は売却→現金化され、債権者に配当されます。基本的には今の家に住み続けることは難しいでしょう。 ただし、親族に買い取ってもらったり,リースバックを利用することにより賃貸契約で住み続けることは可能です。また、他の債務整理によって借金問題を解決すれば、持ち家は手放さずに済むかもしれません。 状況によって最適な方法は変わりますので、まずは、債務整理を多く取り扱う大阪市・難波(なんば)・堺市の弁護士法人法律事務所ロイヤーズ・ハイにご相談ください。

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