自己破産を申し立てるにあたって、いくつか必要な書類があります。
- 申立書関係
- 収入に関する資料
- 財産に関する資料
- 申立費用
大きく分類すると、以上の通りになります。今回は、自己破産に必要な書類をご紹介します。
自己破産に必要な書類の種類
繰り返しますが、自己破産を申し立てるにあたって、以下の書類が必要になります。
- 申立書関係
- 収入に関する資料
- 財産に関する資料
それぞれの項目に分けて詳しくご説明します。
申立書関係
まず、自己破産申立てにあたって必要になる書類です。
申立書
自己破産を申し立てるための書類です。形式は裁判所によって違いがありますので、破産者が申し立てる裁判所の申立書を記入して提出するようにしましょう。
陳述書
陳述書は、自己破産を行う理由や借金原因、免責後にどのような生活を送っていくかを記入する書類です。
家計状況
家計状況とは、家計簿のようなもので、収入と支出が具体的にどのようになっているかを書いたものです。基本的に自己破産を申し立てる前月分の収支を記入して提出します。
資産目録
財産目録は、不動産や車、保険などの資産情報をまとめた書類です。名義、購入額、資産価値、ローン残高などを記入します。
債権者一覧
債権者の情報も一覧にして提出する必要があります。住所、氏名、債務額、返済状況などをそれぞれ記入する必要があります。
住民票/戸籍謄本
自己破産の申立てには住民票と戸籍謄本も提出する必要があります。申立てから3ヶ月以内の書類を用意するようにしましょう。
収入に関する資料
自己破産では、収入に関する書類も提出する必要があります。収入を証明する書類については、以下のものがあります。
給与明細の写し
給与所得者の方であれば、給与明細の写しが一番準備しやすいでしょう。1ヵ月分だけではなく、申立てを行う前の2~3ヶ月分は準備しておきましょう。
確定申告書の写し
事業や副業などで確定申告書を行っている方は、確定申告書の写しを提出します。基本的には2年分の申告書を用意しておくと良いです。
源泉徴収票や課税証明書
上記の書類が準備できない場合、源泉徴収票や課税証明書で代用できるケースがあります。
生活保護費受給証明書
生活保護を受けている方は、生活保護費受給証明書が収入を証明する書類として必要になります。
財産に関する資料
自己破産では、高額な財産は換金して債権者に分配する必要があります。財産の所存をはっきりさせておくために、財産に関する資料の提出も必要です。
預金通帳の写し
過去2年間で預金口座に残高があった場合、預金通帳の写しを提出する必要があります。
不動産登録謄本/査定書
不動産をお持ちの方は、不動産の登録謄本が必要になります。また、査定を行い評価額が分かるようにしておきます。
登録事項等証明書/査定書
自動車をお持ちの方は、登録事項等証明書や車検証が必要です。こちらも査定を行い、評価額を査定書にて分かるようにします。
保険証の写し
生命保険等に加入している方は、保険金や解約返戻金も財産と扱われます。保険証の写しを提出する必要があります。
退職金の証明書
退職金も処分される財産の対象になり得ます。退職金の見込み額が分かる書類を準備しておく必要があります。
自己破産で必要な費用
以上が自己破産で必要になる書類となりますが、自己破産を申し立てるにあたって、申立て費用がかかります。こちらでは、自己破産で必要になる費用についてご説明します。
自己破産の申立てに必要な費用相場と内訳
自己破産の種類 | 費用 |
---|---|
同時廃止事件 | 3万円前後 |
少額管財事件 | 20万円~ |
管財事件 | 50万円~ |
自己破産の内容は上記の3種類がありますが、内容によって必要になる費用も変わってきます。破産者が方法を決めるのではなく、財産状況や借金原因などによってどの方法を取るかを裁判所が決めます。
(少額)管財事件になれば、破産管財人が選任され、ある程度の費用がかかりますので、費用の準備もしておきましょう。
収入印紙代|1,500円
自己破産の申立てに必要です。
予納郵券代|債権者1社あたり3,000円
債権者の数に応じて増えていきます。
官報公告料|1万円前後
自己破産手続き開始によって官報に掲載され、その際に費用がかかります。
引継予納金|20万円~
管財事件になる場合、破産管財人が選任されますが、報酬は破産者が支払うこととなります。引継予納金とは、破産手続きにおいて必要になる費用のことで、破産管財人への報酬が大きな割合を占めます。
少額管財事件で最低20万円、管財事件では最低50万円の予納金が必要になってきます。
自己破産でかかる弁護士費用
自己破産手続きを行うにあたって、弁護士への依頼は必須ではありませんが、多くの方が依頼をして代理手続きや付き添いで審尋などを受けてもらっています。
自己破産手続きで弁護士に依頼した場合の費用相場は50万円程度となります。具体的には弁護士事務所の料金設定や債務額などによって変わりますので、依頼を検討されている方は、しっかり事前に確認するようにしましょう。
特に管財事件になると考えられる方は、弁護士に依頼するメリットが大きく、依頼弁護士と破産管財人が協力することで、上記の引継予納金を抑えることも可能となってきます。
まとめ
今回は、自己破産の申立てに必要な書類や費用をご説明しました。
全ての書類をきちんと集めることすら難しいかと思います。弁護士であれば、手続きの代理や裁判所とのやり取りも可能となります。必要に応じて弁護士依頼も検討されてみてください。