2020.01.14 2022.10.01

個人再生したら借金がどのくらい減るの?

個人再生したら借金がどのくらい減るの

個人再生をすると借金を大きく減らせますが、具体的にどこまで減額できるかは人によって異なります。ただし減額には一定の基準があるため、状況に応じてどこまで減るか計算できます。

今回は個人再生によって借金やその他の負債がどのくらい減額されるのか、解説します。

原則的には最低弁済額まで減額される

個人再生には「最低弁済額」があります。これは「最低でも支払わねばならない金額」です。個人再生をしても最低弁済額より負債が減ることはありません。

最低弁済額の金額は、「負債総額」によって異なります。ここでいう「負債総額」は、裁判所において債権調査等を行い最終的に確定した負債の金額です。債権者が事前に届け出た金額とは異なる可能性もあります。

また「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用する場合の住宅ローンは除いて計算します。住宅ローン特則を利用すると住宅ローンは減額対象にならないからです。

負債総額に対応する最低弁済額は以下の通りです。

負債総額 減額率
100万円以下 減額されない
100万~500万円 100万円まで減額される
500万~1,500万円 5分の1まで減額される
1,500万~3,000万円 300万円まで減額される
3,000万~5,000万円 10分の1まで減額される

個人再生の限度となる負債総額は5,000万円なので、5,000万円を超えるケースはありません。

上記のように、個人再生では負債総額が大きくなるほど減額率が高くなります。また負債が100万円以下の場合には減額されずそのまま残るので、個人再生を利用するメリットはほとんどなくなります。

所有する財産の額までしか減額されない(清算価値保障原則)

2-1.清算価値保障原則とは

個人再生をしたとき、必ずしも最低弁済額まで負債総額が減額されるとは限りません。手持ちの財産の多い方の場合、財産総額と同額までしか減額されないからです。
個人再生には「最低でも手持ちの財産額は払わねばならない」というルールがあります。これを「清算価値保障原則」といいます。

多額の財産を持っているにもかかわらず個人再生をしてそれ以下にまで減額されると「それなら破産させて財産を全部配当に回させれば良い」と考えられ、不合理だからです。
個人再生をしても財産が失われることは基本的にありませんが、高額な財産を持っていると負債があまり減らない可能性が高くなります。そうなると、効果的に借金を整理できないので要注意です。

2-2.清算価値保障原則によって借金の減額率が決まる具体例

清算価値保障原則が適用されるとどのような影響が及ぶのか、具体例をみてみましょう。
たとえば負債総額が600万円の方の場合、最低弁済額は5分の1である120万円です。ただしその人が150万円分の財産を持っていたら、負債は150万円までしか減額されません。
手持ち財産の額が120万円以下の場合には120万円まで減額されるので、財産がある分30万円支払い総額が増えてしまいます。

給与所得者等再生の場合

個人再生手続きには「給与所得者等再生」があります。これは主に公務員や会社員などの給与所得者が利用できる特別な個人再生です。
給与所得者等再生では最低弁済額と清算価値保障原則以外に「可処分所得の2年分は最低でも払わないといけない」というルールが適用されます。可処分所得とは、収入額から最低限の生活費を除いた「余裕資金」です。受け取っている給与額や地域等の条件に応じて専門的な計算方法によって計算しますが、給与所得者等再生の場合には最低でもその2年分を債権者に払わねばなりません。

実際に可処分所得を計算してみると、最低弁済額や手持ちの財産額よりも高額になるケースが多くなっています。そこで給与所得者等再生を利用すると、一般の小規模個人再生より支払い総額が増える可能性が高くなります。

個人再生における借金の減額率まとめ

4-1.一般の小規模個人再生(原則的な個人再生)のケース

以下のいずれか高い方の額まで減額される。

  • 最低弁済額
  • 手持ちの財産総額

4-2.給与所得者等再生のケース

以下のいずれか高い方の額まで減額される。

  • 最低弁済額
  • 手持ちの財産総額
  • 可処分所得の2年分

実際にあなたが個人再生をしたらどのくらい借金が減額されるのか知りたい場合、弁護士が試算してお伝えいたします。お気軽にご相談下さい。

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