2018.10.10 2022.10.01

クレジットカードで借金をした人が死亡した場合にはどのようになるのか

クレジットカードで借金をした人が死亡した場合

クレジットカードで借金をしていた人が返済をしない状態で亡くなってしまった場合には、どのようにすればよいのでしょうか?
このページでは、クレジットカードで借金をした場合の相続についてお伝えします。

クレジットカードで借金をした人が死亡した場合の法律

クレジットカードで借金をしている人が死亡した場合にも相続は発生します。
相続というと、家・土地などの不動産や、預金や有価証券といった資産についてだけを連想する方もおおいでしょう。
借金はマイナスの資産であり、相続をするということは、そのマイナスの資産も受け継ぐことになるのです。
そして、マイナスの財産は相続分に従って相続されることになります。
もし父が亡くなり、クレジットカードでした借金が300万円、相続人は妻と子2人だとします。
この場合、相続分は妻1/2・子がそれぞれ1/4づつになるので、妻は150万円、子がそれぞれ75万円の範囲で相続をすることになります。
なお、相続に関しては遺産分割という手続きがありますが、借金に関しては分割できません。
たとえば、上の例で言うと、借金は子の一人が300万円全額引き受けることに遺産分割協議で決めたとしても、クレジットカードを発行している会社は、上記の相続分に従って請求できるとされています。

クレジットカードの借金は相続しないこともできる

もし親が借金をして自由奔放に暮らして、妻や子が父親の遺した借金を全額絶対に支払わなければならない、というのであれば、相続人は無責任に借金する親が負うべき責任を負わされる事になります。
もし返済できないのであれば自己破産などの債務整理手続きを取るべきなのですが、信用情報機関に事故情報として登録されるなどデメリットも大きいので、相続人がそのような事をしなければならないのは不都合ということになります。
そのような事がないように、相続にあたっては相続放棄という制度が認められています。
相続放棄は、家庭裁判所に対して申込をすることで利用することができるものです。
相続放棄は、「はじめから相続人ではなかった」という扱いにしてもらえる制度で、相続財産が借金しかなくて相続したくないような場合など、相続関係から抜けるために利用されます。
相続人ではなかったという扱いになるので、当然に借金を相続することがなくなるため、クレジットカードの借金の相続人になっていたとしても、支払う義務から解放されることになります。

相続放棄をするにあたって注意すべき点

相続放棄という制度によってクレジットカードの借金から免れることができるとしても、その利用については注意が必要です。
まず一点目としては、相続したい財産が別にある場合には相続放棄は利用できません。
たとえば、クレジットカードで200万円の借金がある一方で、家と土地を住宅ローンを利用して所有していたとしましょう。
本人が亡くなると団信という保険がかかっている場合には住宅ローンが完済扱いになります。
そのため家と土地だけは相続して、借金だけ相続放棄するということをしたいのですが、これはできないということになります。
なぜなら、相続放棄は「相続人ではなかったことにする」制度なので、相続を全部するのか、しないのか?という選択しかないためです。
二点目は、相続が開始してから3か月の期間があることです。
相続の開始とは、原則として、本人が亡くなったときを指します(相続人が親と縁を切って生活をしていた等で亡くなったことをしらなかった場合には、知ったときからです)。
3か月の期間内に相続放棄の申し込みをしなければ、期間内に申し込みができなかった納得のいく理由がなければならなくなります。
亡くなった人宛てにクレジットカードの会社から督促が来ているような場合には、借金が無いかどうか早急に調査をする必要があります。
調査は、信用情報機関というところに申し込みをすれば見ることができます。
三点目は、遺品をきちんと保管しなければなりません。
たとえば、買い物癖がひどかった人の相続をする場合には、換金できる高額な遺品が存在する場合があります(例:高額な腕時計やブランド品など)。
相続放棄をする場合には、どのようなものが相続財産としてあるかを家庭裁判所に申告しなければならず、それらのものを不用品販売として処分などすると、相続放棄をすることができなくなることもあります。

相続放棄も債務整理が得意な弁護士に相談をする

相続放棄の相談は誰にすればよいでしょうか。
相続放棄も借金の問題の一種ではあるので、債務整理手続きが得意な弁護士であれば受け付けています。
債務整理問題を取り扱っている弁護士であれば、ほとんどの事務所で無料で相談できます。

まとめ

このページでは、クレジットカードをつかって借金をしている人が死亡した場合の法律関係や、借金を相続しないための相続放棄という手続きについてお伝えしてきました。
借金をしている人が死亡して相続をしてしまうような場合でも、あきらめずに専門家に相談すれば自分が払わなくてもよい方法はあるので、ぜひ相談をしてください。

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